ワインリスト

KONDO ヴィンヤード B-O-T(ビー・オー・ティー)
kondo vineyard B-O-T
蔵出し参考価格 | 税別4,000円(4,400円) |
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生産本数 | 342本 |
栽培責任者 | 近藤良介、近藤拓身、近藤智子 ほか、のべ100人以上のボランティアの皆さま |
ぶどう生産地 | KONDOヴィンヤード タプ・コプ農場(三笠市) モセウシ農場(岩見沢市栗沢町) |
品種 | ピノ・ノワール90%以上(クローン:MV6、777、667、115、113、オキシデント) ピノ・グリ、オーセロワ他10%未満 |
ぶどう収穫日 | 2017、2018、2019、2020年 |
瓶詰日 | 2021年9月16日 |
試飲レポート
試飲日 | コメント | 現状 | 今後 |
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2023/02/25 |
香りの複雑さに期待感膨らむも、やや中盤が弱い。酸で締まるがやや下降期か。 |
◎
○
△
×
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また盛り返すはず |
2025/01/29 |
干しアンズ、柿、貴腐ニュアンスあり。集中力高く、酸もしっかり残る。 |
◎
○
△
×
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ゾーンに入った模様。冷やし目で。しばらく良い状態。 |
仕込み方法
2017年、主にピノ・ノワールの灰色カビ病果をピンセットで1粒1粒選果し、小型垂直バスケット式プレス機で搾汁。発酵前おり引き(デブルバージュ)の後にステンレスタンクで自然酵母により発酵。2018年、2019年も同様に選果、搾汁をしてから発酵させ、そのつど前年のロットとブレンドし徐々に大きなタンクへ移動。2020年、同じ方法で造られたワインと合わせて225L樽1本分になったため、ステンレスタンクから樽へ移し7か月の熟成。無濾過、清澄剤、添加剤等不使用。亜硫酸20ppm添加。
KONDOヴィンヤード史上最も手間ひまをかけ、半ば執念で完成にこぎつけたワインです。本来はワインの本質以上のことを語るべきではないと思いつつ、以下少しだけワインの完成に至る説明と思い出話にお付き合いください。
ワイン造りのスタートは、いかに健全なぶどうを収穫し、それを仕込むことができるかです。不幸にして生育途中に病気や虫に冒されたぶどうは時間の許す限り選果をすることが望ましく、KONDOヴィンヤードではそのスタイルを開墾以来徹底してきています。特にピノ・ノワールは果皮が薄く、毎年一定量の病果が発生することが避けられないため、最初は「もったいない」の精神で捨てずにプレスしておくことから始めました。ベト病や虫食い果はともかく、灰色カビ病だけは扱い方を間違えなければその独特の風味からユニークなワインが生まれることが知られ(有名なものは貴腐ワイン)、健全果と比べて水分が抜けているため大幅に搾汁率も落ちるぶどうから、1摘1摘、文字通り絞り出すようにタンクにため続けてきました。
途中、あまりにも膨大な時間をかけて選果や仕込みをすることに耐えかね、遠慮のない家族からは苦情、異論の嵐でしたが、萎えそうな気持ちを支えてくれたのは毎年駆けつけてくれる収穫ボランティアの方々でした。夕暮れになるまで黙々とピンセットを動かし、それでも間に合わなければ深夜まで作業に付き合っていただきました。ワインのタイトル“B-O-T”は、灰色カビ病の学名”Botrytiscinerea”の頭文字であるとともに、「ボBランティアのおOかげで造Tることができました」の意味もこめています。(やや無理やり感はありますが…)本当に感謝の賜物です。ありがとうございました!
蜂蜜やブランデーなど濃縮感のある甘い香り、貴腐ワインのような甘口を想像させつつ、飲み口はキレのよい酸味を伴いながら紅茶やミカンのようなニュアンスでほぼドライな仕上がりとなっており、デザートにも合わせられるワインです。最初は冷やし気味に、グラスの中で温度が上がるとシェリーのようなフロール香も立ち上がり、よりふくよかな印象になります。
さらに、一歩進んでマニアックな楽しみ方として、ボトルの肩のあたりに書かれている白い線以下まで通常通り飲んでいただき(ボトル半分でも1/3でも大丈夫です)、その後3カ月以上冷暗所で放置してから試すと「ヴァン・ジョーヌ」のような味わいに変わるはずです。本来のヴァン・ジョーヌはフランス・ジュラ地方で伝統的に造られる酸化熟成型のワインで、樽に仕込んで5年以上ワインの補填(ウィヤージュ)をせず、その間に樽内で形成された産膜酵母の影響で独特の風味を持ち、620mlのボトルに詰められています。(ちなみに白い線は620mlです)私自身は狙ってこのワインを造ったわけではなく、たまたま抜栓して3か月経った頃に飲んでみてそのニュアンスに驚いただけなので、ご興味のある方は試してみてください。
最初の仕込みからすでに4年以上が立ち、今が飲み頃とも言えますが今後も相当な期間の熟成に耐えるのではと思っています。今のところは仮に、2022年~2040年頃までとしておきます。