Wine Making

ワイン造りに関して

健康で適度に成熟したぶどうを畑で育てることさえできれば、醸造所であれこれ手を加えない方が美味しいワインになるという基本原則があります。できればシンプルに、畑と人を写すワインを造ることができればと考えています。

白ワイン タプコプ・ブランの場合

白ワイン タプコプ・ブランの場合

2011~2018まではソーヴィニョン・ブラン100%。2019以降は、年によって5%の範囲内でシャルドネなどが入ります。

ぶどうの搾汁は、全房で600kgほど入る垂直バスケット式のプレス機に投入し、ゆっくりと時間をかけて絞ります。プレス時間は短くて24時間、前後に他の作業が無ければ48時間ほどかけます。澱や雑味が非常に少ない良質の果汁が取れるため、発酵前おり引き(デブルバージュ)はせず、地下室にある600Lの樽または樽型のステンレスタンクに直接、重力を用いて流し入れます。

発酵期間は、短くて12か月、長い時で24か月かかります。瓶詰め直前に複数の樽とタンクのワインを合わせ、必要であれば酸化防止剤(亜硫酸)を添加します。年によっては糖分が残ったままになるためやや甘口、場合によっては多少のガスを生成するのでスパークリングの瓶に詰め残糖を意味する“z”がワイン名につきます。プレスから瓶詰め直前までオリ引きや亜硫酸の添加は行わず、マロラクティック発酵も自然に行なわれます。

酵母、乳酸菌その他の添加剤は全てのワインで添加せず、濾過も行いません。酸化防止剤(亜硫酸)は、必要があれば10~15ppm、年によっては添加をしません。プレス作業以外はほとんど技術の介入が無いため、純粋にヴィンテージごとの味わいが楽しめるワインです。

赤ワイン タプコプ・ピノノワールの場合

赤ワイン タプコプ・ピノノワールの場合

収穫期に灰色カビ病がつきやすい品種なので、畑では徹底的な選果が行われます。ピンセット付きのハサミを使い、畑での選果後、場合によってはワイナリーで再チェックし、熟度の足りないぶどうはスパークリング用に使います。

2012~2016までは、年によって全房と除梗の比率を変え、2017以降は基本的に全てのぶどうを網で除梗しています。果粒をあまり潰さないように丁寧に除梗し、プラスチック製タンクに入れたあと二酸化炭素を充てんし(ピノノワールの仕込み時期には他のタンクで旺盛に発酵が起きているので、そこからガスを引き込みます)、2~3週間はほぼ何もせず、タンクに蓋をして置いておきます。

たまに様子を見ながら、頃合いを見てピジャージュを少しずつ始めます。この加減は年によって異なり、また五感が頼りなので、結果的にワインの個性に繋がる作業になります。仕込みから3~4週間でこの作業を終え、分離したワインは地下室の225ℓ樽へ重力で投入し、残ったもろみは垂直バスケット式プレス機にかけ、これも樽に入れます。

その後は白と同じで瓶詰め直前まで全く動かさず、3週間に一度ぐらいの割合でウィヤージュ(目減りしたワインの補填)を行います。6~11か月の熟成を経たあと複数の樽のワインを一つに合わせ、瓶詰めをします。

亜硫酸は必要に応じて添加10ppm程度を添加、2017、2019では無添加です。その他の添加物や濾過は行いません。2017以降の4年間は仕込み時の除梗を100%行っているため、ヴィンテージごとの味わいのニュアンスに統一感が出ています。

スパークリングワイン ナカイ・ミュラワの場合

スパークリングワイン ナカイ・ミュラワの場合

「kondo vineyard」唯一のネゴシアン(買いぶどう)主体のワインです。原料は、北海道余市町の中井農園産ミュラートゥルガウが75~90%、その他はモセウシ農場産オーセロワになります。

プレスは白ワインに順じ、垂直バスケット式プレス機に全房で行います。果汁はプラスチックタンクに入れますが、のちに二次発酵用で使う果汁をこの時点で分けて、冷凍保存しておきます。発酵はタプコプ・ブラン同様に自然酵母で行い、仕込み後約50日で主発酵とマロラクティック発酵が終了します。

オリ引きと同時に冷凍保存していた果汁を解凍して添加し、スパークリング用瓶に詰めます。ワイナリー地下室で3か月ほど温度管理をし、瓶内での二次発酵を促したのちに出荷されます。

2013以降、唯一のネゴシアンブレンドワインとして安定した生産量を保っているため、「kondo vineyard」のワインとしては比較的よく目にするアイテムではないかと思います。当初はフレッシュな早飲み用として造ったつもりでしたが、4~5年の熟成によってオリ由来の旨みや重厚感も見せてくるので、その差も楽しめるワインになっています。

クヴェヴリワイン konkon クヴェヴリの場合

クヴェヴリワイン konkon クヴェヴリの場合

ある意味では「kondo vineyard」のフラッグシップ、2012~2015までは“konkon”と呼ばれていたワインが、2017の栗澤ワインズ設立時からクヴェヴリを導入したことにより、未完の進化を続けるワインになっています。

クヴェヴリは、本場ジョージア産が2基(610ℓと750ℓ)、それに北海道斜里町の斜里窯、中村二夫さんによって製作された小型の特注品が6基で、いずれも発酵と熟成を兼ねて仕込みロットによって使い分けをしています。クヴェヴリは全て土中に埋設されています。

原料は、タプコプ、モセウシ両方の畑にある「混植」のぶどうを使います。品種は8~9種類、年によって混植に唯一入っている赤ワイン用ぶどうのピノノワールを除いていわゆる「オレンジワイン」を造る場合と、ぶどう全てを使って「ロゼもどき」を造る2つのパターンがあります。

基本的にはぶどう全てを網で除梗しますが、一部は全房で仕込む年もあります。除梗後、手動式の破砕機で丁寧に破砕し、そのままクヴェヴリに仕込みます。一日に一度ピジャージュをし、平均40日ほどで主発酵が終わります。

その後、冬の訪れとともにクヴェヴリは密閉され、静かに時を待ちます。少なくとも春まで蓋を開けることがないので、その間クヴェヴリの中で何が起こっているのかは、ワイン自身にしかわかりません。2017、2018はそのまま秋まで静観し、その間に分離したワインをさらに別のクヴェヴリに移して二次熟成させたのが2017、樽で熟成させたのが2018です。

国内ではあまりクヴェヴリ仕込みの例が無いので、2016年にジョージアのカヘティ地方を訪問した時に直接聞いた方法を、この北海道の気候風土に合わせて少しずつ修正しているところで、まだ1年として同じ方法で仕込んだことがありません。まだ実験的な要素が強いため味わいも年ごとに異なり、説明の難しいワインです。

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